「腹を割った酒の席」はいらない
よく、部下とのコミュニケーションは飲みニケーションが一番だと考える上司がいます。
しかし、現代の若者は、さまざまな価値観があることを認められて育った世代なので、お酒を飲まない男子社員に「男なんだから、酒ぐらい飲め」などといっても、「飲めなくて、何がいけないのでしょうか?」と不満に思われます。
そんな相手対しては、飲み会はコミュニケーションの場としてはふさわしくありません。
仕事におけるコミュニケーションの場は、「親しく交流する」ためのものではなく、相手の価値を知るために行います。
では、相手の価値を知るにはどうしたらよいのでしょうか?
1.週に3回、5分間くらいデスクで軽く世間話をする。
2.さらに月に1回、マンツーマンでじっくり話す機会をもつ。
こうしたヒアリングで、
部下の価値観=動機付け条件
を正確に把握できれば「腹を割ったお酒の席」は必要ありません。
部下育成の「打つ手」を知る
若手社員が職場に根付かないという話をよく聞きます。
離職率については、
「リーダーとのコミュニケーションの量が少ないほど離職率は高く、
コミュニケーションの量が多いほど離職率は低い」
といわれます。
コミュニケーションの量が多いと、リーダーが自分のことを「気にかけてくれている」「よく見ていてくれている」と感じ、部下はリーダーに信頼を寄せ、結果的に会社を離れるという選択はしなくなるわけです。
最近では、「ある日突然部下が辞めてしまった」という事態も多いようですが、この「突然」は上司の思い込みで、部下にとっては「突然」ではないのです。
部下は、会社や仕事に対して、なんらかの不満をずっともっていたのです。
もしコミュニケーションの量が多ければ、リーダーはこのシグナルに気が付いたはずです。
シグナルを感じとれていれば、「何か最近悩んでいることがある?」など、先回りして相談に乗ることもできます。
コミュニケーションは「信頼関係づくり」だけではなく、
部下の動機付け条件を掘り出し把握することで、部下を育成するための「打つ手」をとることができます。