やり方を教えるには、できるだけ細かく指示をする
「知識」と「技術」に分けて考える
「できない人」を「できる人」に変える方法を説明していきましょう。
「できない人」ができない理由は「やり方」「継続の仕方」を知らないからでした。そこでまず、「やり方」を教えなくてはなりません。
「やり方」を教えるとは、言い換えれば「どのように行動すればいいか」を教えるということです。
まず、身につけるべき内容を「知識」と「技術」に分けて考えましょう。
「知識」を身につけるとは、仕事内容について聞かれたら答えらる状態になることです。
「技術」を身につけるとは、その仕事をやろうとすれば出来る状態に熟練することです。
知識と技術を分けることで、できない人は自分に「何が」不足しているのかが見えるようになりますし、教える人は、順位立てて物事を伝えることが容易になります。
まず前提となる知識を教えておいて、技術の部分は、行動を「分解」して伝えます。
行動を分解して伝える
「行動の分解」は次のように行います。
たとえば、あなたが幼い子供に、「冷蔵庫に入っているミネラルウォーターを飲む」という行動を教える際には、次のように細かく教えるでしょう。
①食器棚からコップを出す
②テーブルの上にコップを置く
③冷蔵庫のドアを開ける
④ミネラルウォーターのボトルを出す
⑤ボトルのキャップを開ける
⑥ボトルを傾けて、コップにミネラルウォーターを注ぐ
⑦コップを手に取って飲む
これが、「冷蔵庫に入っているミネラルウォーターを飲む」という行動の分解です。
行動マネジメントでは、「ペットボトルワーク」というものをよく行います。これはさらに細かく27に分解できます。
「ペットボトルからコップに水を入れる」という行為だけでも27の行為に分解して教えることが必要なのですが、27の行為を知ることで誰でも同じように、ペットボトルコップに水を注ぐことが出来るようになります。
「やり方を教えるには、できるだけ細かく指示をする」
当たり前のように感じるかもしれませんが、「やり方」を教えるためには、まず「『知識』と『技術』に分ける」、そして、「行動を分解する」という作業が必要なのです。