自分の態度が相手の行動を左右する
「結果がメリットのあるものであれば、人は行動を繰り返す」というABCモデルの原則にしたがって相手とせする、これが、行動科学マネジメントの基本です。
例えば、部下に、
「わからないこは自分(リーダー)にどんどん聞いてくれ」
と言ったとします。
これが先行条件(A)です。
それに続いて、部下の行動(B)と結果(C)があるわけですが、2つの異なる結果の例をあげてみましょう。
① 部下「これが分からないんです」(行動)
リーダー「少しは自分で考えてみたらどうだ?」(結果)
② 部下「これが分からないんです」(行動)
リーダー「おお、ちゃんと聞いてくれたね。」(結果)
どちらの結果が、部下にとってメリットのあるものでしょうか。答えは明らかです。
結果が①のように怒られたということであれば、部下は今後、質問(行動)することをためらうようになります。
逆に、質問(行動)したことの結果が、②のように褒められた、認められたいうことであれば、今後も質問(行動)してくれるでしょう。
つまり、結果を相手にとってメリットのあるものにすれば、相手は行動を繰り返します。
そして、結果を、意識的にあいてにとってメリットのあるものにするのが、行動科学マネジメントです。
「動機づけ条件」を把握する
リーダーは、部下の価値観(本当に望んでいるもの、メリットになるもの)を、正確に把握することが必要です。
そのために必要となるのが、部下との親密なコミュニケーションです。
部下とのコミュニケーションの目的は、相手の価値観を聞き出すことです。
人は価値観に基づいて行動します。その価値観を、行動科学マネジメントでは、「動機付け条件」と呼びます。
動機付け条件は人によってさまざまで、年齢や雇用形態では区別できません。
リーダーは、部下とのコミュニケーションによって動機づけ条件を正しく把握しなくてはなりません。
次回はどのようにコミュニケーションをとって動機づけ条件を把握できるのかを説明します。