プレゼン資料やWeb、チラシなどデザインを作成した時にくる修正指示の本来の意図を見ていきます。
「金赤に」と指示する根拠を追求して改善する
社内に一人は「山田君、ここの文字金赤で」と指示する上司がいる、という笑い話を聞くことがあります。
実際にスライドやカンプ修正の際に、「金赤に」と外注に支持するクライアントは多くいます。
金赤とは印刷色でマゼンタ100+イエロー100をかけ合わせた朱色に近い、目立つ赤色です。
しかし、金赤にしてもメリハリが無くなったり、目立たせようとした場所がむしろ目立たなくなってしまうことはよくあります。
このような修正指示の問題点は、何のために金赤を指定したのか、問題を本当の意味で改善できていないことになります。
上手くいかない修正指示とやりとりを繰り返す前に、
何が問題になっているのかを、作業者と言葉で共有し合う必要があります。
指示する人がプロであれば、ヒアリングから新しい提案をしてくれます。
相手がデザインに詳しくない場合は、意図を確認しあって最良と思われる選択肢を取っていくことが大切です。
修正指示を入れた背景を考える
修正指示 | 修正指示の意図 | 考えられる改善方法 |
ダサイ | プレゼンする対象や顧客に対して不適当な表現や、ターゲット層、商品イメージなどにそぐわない表現になっている | 具体的に「ダサイ」と感じる部分をピックアップし、改善方針を決める。
写真がダサく若者にうけないのなら、写真に何が映っているべきか、変更の方針を決める。 感覚を具体的に言葉にすることが改善の鍵 |
キャッチや写真を追加して | 空白恐怖症。余白があると、さみしい、もったいない | 一番目立たせたい要素を大きくするなどで余白を減らして改善する。
キャッチや写真を追加するのは、そこで伝えたいいメッセージがある時のみにする。 余白は別の場所の引き立てさせる効果もあるのである程度は収容する。 |
金赤にする | 指定した文字や箇所を、他より目立たせたい | その他の要素との大きさや、位置の関係を整理し、強調したいものを目立つ配置に変更する。
また、金赤の代わりに決められた配色内の目立つ色を使う。印刷の場合は4色以上にならないようにする |
文字を太く | 指定した文字を、もっと目立たせたい、あるいはメリハリをつけて、違いをもっと明確にしたい | 指定通りふとくすればよい。ただし、小さな文字は太くすると潰れて読みにくくなるので、サイズを変更した方がよい。
メリハリをつけすぎると安っぽく、子供っぽくみえるので、高級感や繊細さが必要な時は避ける。 そもそも文字が多すぎて読みづらいなら、図解化やスライドを分ける。 |
■ポイント
・赤くしたらよく目立つとは限らない
・問題の本質を共有してソリューションに導く
・強い要素に別の強い要素をぶつけるよりも、ひとつのテイストでまとめて配置のなかで差を出す